ニットのお手入れ どうしてますか?

気温が下がってきたので
連日 お客様で賑わっております。

ありがとうございます(^-^)

お客様との時間が大好きなので
とても楽しいです。


忙しくて 商品の写真が撮れなかったので
今日は ニットのお手入れについて
ちょっとお話したいと思います。


皆様、お手入れってどうしていますか?


夏場とは違い 汗をかくことも少ないですし 毎回着る度に 洗うことはしませんよね。


カシミアなど デリケートな素材は特に 洗うことで 傷むということも避けられません。

なので 洗うこと=お手入れ
ではないのです。


では どうしたらよいのか?

まず、ニットの特性から言いますと
着用することで 伸びるのは避けられませんが ただ、ウールというものは 元に戻ろうとする力があるのです。


セーターなどは 平面的な状態が 元の状態ですよね?

それを 体という立体的なものの上に被せて1日過ごすわけです。

胸や肩、肘など 動きや高さのあるもので 伸びています。

脱いだら ふんわりと体の型になってるので それを 元に戻してやらないといけません。

押したりするわけではなく 
フラットな状態にすれば、ウールの特性で戻ります。


では お店に置かれてるように 畳めばよいのか?といえば
1日 いろいろな埃や匂いもついてますので 畳んでタンスにしまってしまうのは NG


タンスに入れる前に
ニットの埃などを 払い 通気性の良い場所で 湿りなども飛ばし 型を休ませてやれば良いのです。


更に ニットは 着用することで 擦れてしまいます。
脇や袖下など 毛玉やピリングができますよね。


カシミアは 毛玉ができやすいと思われてる方も多いですが
一概にそうでは ありません。

安物だから 上質だから
毛玉ができやすいか、できにくいかは
関係ありません。


元々の糸の撚り方に関係しているのです。

あまく撚られている糸で編んでいるものは 毛玉が出来やすいのです。

余談になりますが
私が メーカー勤務時代に maloというイタリア最高級カシミアブランドを扱っていまして 8プライ(8本の細いホワイトカシミアの糸を1本に撚り上げた糸で編んだもの)のカーディガンを かなり思いきって買いました。

当時の価格で 25万円しましたが
なんとも言えない色合いがたまらなく素敵で ホワイトカシミアの気持ちのよさに魅せられてしまいました。
社員割引があったとはいえ かなり思いきりました。
思えば 私のニットフェチは このmaloがきっかけだったかも。

何年も着ましたが
当時は肩パット最盛期。
肩パットの衰退と共に 外には着ていけないものになりましたが 好きだし 良いものだし この暖かさは なにものにも変えられず 捨てることは出来ず 冬になると ガウン代わりに パジャマの上に着ています。


寒い日は そのままベッドに入ることもありますが なかなか丈夫で まだ現役。
そんな乱暴な着方をしてるのに 8プライのカシミアは 毛玉が全くできないのです。

そんなものなのです。

一方、着用しなくても ちょっと触れ合うだけで フワフワと毛足が伸びて あっという間に 毛玉だらけになるものもあります。


糸に因るものなので どうしようもありません。


毛玉の対処法として 毛玉取り器というものがあり
擦りとるタイプとか 電動カッターなどで切り取るものとか様々


ニットフェチの私は この毛玉取り器も好き。
特に電動のものが好きで 家族中のニットの毛玉取りをすべて進んで引き受けてます(笑)

羊飼いが 羊の毛を刈り取るような そんな感じが好きなんですよね。

でも これは 実はニットを傷めてるので 最良の策ではないのです。

毛玉や毛足の長くなったところを刈り取ることで 毛が痩せてしまい風合いが損なわれます。


ただ、出来てしまった毛玉には これしか対処法はないので あまりきっちりと刈り取らずに 目立つものを取るだけが良いのです。


毛玉を取ると傷むのなら
どうしたらいいんだ?ですよね。


答えは 毛玉なることを予防することなのです。


話を戻すと

着用に因る 型崩れを 元に戻し
埃や匂いを払い
毛玉を予防する

これがニットのお手入れの目的で
これを着用後にしてあげることで 
クリーニングやお洗濯の回数を減らして それによって 元のコンディションを保ち 長持ちさせられることになるのです。



そのために なにをしたらよいか?です。


私が愛用してるのは
洋服ブラシです。


これはエチケットブラシではなく 天然毛の洋服ブラシ


こんなのです。


子供の頃 必ずどのおうちにもありましたよね?

お玄関や クローゼットに置いてあって
お父さんが帰ってきたら お母さんが背広を脱がせて こんなブラシをかけていましたよね。


洋服ブラシというのは 埃などはらって 毛並みを整えるためのもの。

コートや背広には使うものとして知られてます。

お洋服を大事にする方は 必ず使われてます。

ハナエモリのご長男さんは 上質のコートのブラシかけを怠らず 一度もクリーニングに出したこととないそうです。

型崩れも汚れもなく 良いコンディションを保てるのだそう。


ニットにも洋服ブラシが良いそうです。


ただし、紳士物のコートや背広に使うものと同じではなく シルクやニットにも優しく使えるものが良いそうです。


私のは 馬の毛
それも柔らかい白馬毛です。



紳士物用は 豚毛が多いらしいです。


おうちに帰ったら まず脱いで このブラシをかけてやる

歯磨きをするように 手首をスナップさせて サッサッと埃や汚れをはらい 擦れて出てきた遊び毛を絡めとるのです。

この遊び毛をほって置くと 絡まり毛玉になるのです。


ブラシだけで こんなに変わります。


そして ハンガーにかけて すぐにタンスに入れず 掛けておきます。


私はクローゼットの前に掛けています。

このときの注意点は 肩の部分が伸びないように コートハンガーなどのように 幅の広いものが良いです。


一晩掛けておく事で 匂いや湿り気がなくなります。


ロングカーディガンなどは 翌日にはこのままクローゼットにしまいますが セーターなどは、なるべく畳んで しまいます。



この手間をかけてやるだけで  毛玉を予防して クリーニングの回数も減らせて 結果的に長持ちします。



ぜひ、やってみてくださいね。


洋服ブラシは、百貨店や東急ハンズなどで売ってます。


お値段は 様々ですが、柔らかいシルクなどに使える馬毛タイプがよいです。


更に、このブラシもお手入れが必要。

こんな専用の櫛でお手入れします。


ぜひ、この冬 しっかりお手入れしてみてくだいね。



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